【第227号】自分を萎縮させない

1.自分を責めすぎていないか

 人間は弱いものである。しかし、自分も周囲も完璧を求めてしまう。「べき論」中心の世の中だからである。その中で仕事をしていると、できない自分を責める結果になる。「なんて自分はできない人間なんだ」と。しかし、それを日々繰り返していても、できるようにはならない。「できない自分」を自分に刷り込んでしまうからである。もっとできるはず、まだまだできるはず、と頑張っている自分を認めることをせずに、目指すべきハードルをあげていく。それを続けていると、頑張っている自分の心が悲鳴を上げてしまう。「こんなに頑張っているのに、どうして?」。上司に怒られているから頑張っているのではなく、自分自身に責められているから頑張るという辛い状況に陥る。

2.今の自分を認めてあげよう

 頑張っている自分を認めてあげることが大切である。ステップアップしていくためには、今の自分のいる位置を確認することが重要となる。人間の成長が1年1年、階段を踏んでいくように、スキルもアップしていく。突然、能力がアップして、仕事の質が上がるわけではない。そして、自分のステップアップをイメージしていくことになる。このコラムでも何度も書いているが、このイメージができていない(イメージしてみると、自分が思っていたやりたいことと違うものが出てくることもある)。言葉にする、文章にする、イラストにする、具体的に形にしていく。頭の中だけだと、どれだけ中途半端かがわからない。

3.楽しんでいこう

 知っている人(知識のある人)は、好きな人(その仕事を好きな人)にはかなわない。好きな人でも、楽しんでいる人(仕事を楽しんでいる人)には、かなわない、と言われる。仕事を好きになるだけでなく、楽しんでこそ、効果が高まるのである。時間のスピードを考えてみればよく分かる。不慣れな仕事や、いやいややっている仕事よりも、好きでやっている仕事の方が時間が経つのが早い。楽しんで仕事をしている時は更に早い。
 以前、オリンピックの代表が「楽しんできます」と言って批判をあびた。金メダルを義務付けられた競技の選手が銀メダルで悲痛な表情を浮かべる。楽しむ余裕のある人が、金メダルを取れているようになってきた(そういう部分が表に出てきた)。
 仕事を楽しむのは不謹慎でもなんでもない。逆に、どうしたらワクワクしていくのか、をもっと考えるべきである。眉間にしわを寄せて何をすべきかを議論することから、脱却していくようにしたい。