【第223号】部下を変えられるリーダー

1.リーダーの姿勢

 ここのところ、研修続きなこともあり、改めてリーダーのあるべき姿を考えるきっかけにもなった。部下を変えられるリーダーの姿とはどんなものなのか。リーダーだからといって「完璧」なわけではない。人としての弱さもある。スキルが不十分なところもある。ただし、差がついてしまうのは、それを「克服しよう」としているのか「あきらめてしまって」いるのかである。自分の可能性を信じられない、自分の影響力を信じられない。
 ベテラン幹部になるとなお更である。「これまでこうやってきた」「これがこの会社のやり方」から脱却できない。新しい試み、違う取り組みに向き合わない。つまり「変われない」状況を自ら生み出してしまっている。

2.何が行動を生み出すか

 人はどうなったら行動するのだろう。確かに管理職の部長、課長という役職の持つ“権限”や“権威”で、指示・命令すれば、「動く」だろう。でも、成果には結びつかない。思った成果は上がらない。本当の行動ではないからである。教育において、自ら進んで学ぶのと、勉強しろ、と言われて学ぶのと同じである。
 人は「心」が動かないと行動に移れない(移さない)。ベストは「感動」であるが、「気になる」「ざわざわする」レベルでもいい。気持ちが変わらないと、動かないとだめなのである。「どうせやっても・・・」から「ひょっとしてできるかも・・・」でも良い。それを最終的には「きっとできる」に変えて行けば良い。行動力は大きく変わるし、成果も必ずついてくる。

3.やる気の維持のために

 よく「やる気」を維持するためには、褒めること、とか否定しないこと、と言われる。しかし、具体的にどうすればよいのか、わかっている人は少ないし、実勢できている人は更に少ない。褒めることは必要である。しかし、「褒めなければ、やらない状況」を生み出してはいけない。部下がそれに依存するからである。認めてあげて、受け止めてあげることである。また、否定しないためにはどうしたら良いのか。それは、否定する言葉を使わないことである。「ダメ」「できていない」「まだわかっていない」などの否定形の言葉を浴びせないということである。「もう少しでできるようになるね」「かなりできるようになったね」「半分は理解できたじゃないか」ということから始まって、最終的には、できたことをイメージさせながら、モチベーションを高めていく。やればできるんだ、という気持ちにさせれば、部下のやる気は維持できる。