1.絶対基準
筆者の知っている方で、ものすごく決断の早い方がいる。その方の決断基準は「気になるか、ならないか」である。「良いか、悪いか」とか「ためになる、ならない」とか「高い、安い」ではない。「気になった」ら、購入する、試してみる、参加してみる。「気にならなかった」らスルーする。ただ、それだけである。ものすごくシンプルである。だから、早い。「一晩考えてから」「一週間検討してから」「何人かに相談してから」というのは、滅多にない(知らないだけかもしれないが)。
本の購入も早い。もともと当人が購入したいと思っているものは、当然だが、人から進められた本についても、すぐにその場でネットで注文してしまう。書評とかはあまり気にしていない。
2.動くか止まっているか
その方の話を聞くと、やはり「止まっている」ことは「進歩がない」ことと捉えているようである。立ち止まることが不必要だとは言っていないと思うが、じっとしていることよりも少しでも前進していることを選んでいるようだ。
それは筆者も同感である。何もしないで、不平不満を言ったり、愚痴をこぼしたり、イライラしたりするのは、何もメリットはない。「だったら行動する」である。何度もこのコラムで指摘していることである。行動しないことには、何も生まれない。この方の生き方を見ているとそう思う。筆者はいつも刺激を受けている。お陰で、筆者も今年に入り、更に人脈が広がりつつある。動けば、結果は付いてくる。それはビジネスの世界でもプライベートの分野でも同様である。
3.制約条件の排除
なぜ、そんなに早く決断できるのか。それは判断基準がシンプルであるだけはない。制約条件をしっかりと排除して考えられているからだ。
「時間がないから」とか「お金がかかるから」とか「知らない世界だから」とかを考えない。本来は、決断する前にそこをくよくよと考えてしまうから、決断に時間がかかったり決断できなかったりする。
その制約条件は、結局「言い訳」に変わる。「時間がなかったからできなかった」「お金がかかるからね」「知らない人ばかりだったから」。でも、そういう人は変われない。成長できない。そして、そういう人ばかりがいる会社は成長できない。
失敗しても、恥をかいても、常に刺激を求め、「気になる」ものには、触手を伸ばす。そんな好奇心溢れる人間でいたいと思う。その方の豊かな人生にあこがれるひとりとして感じる部分である。