【第208号】動くことで何が変わるのか

1.虎穴にいらずんば虎子を得ず

 世の中が混沌としてきている。何が民意なのか、そして方針なのか。政権の意図だけでなく、世界の流れの中で日本は、自分たちはどこに向かっているのか。アベノミクスの行方はプラス方向か、マイナス方向か。業種、業態、規模によっても違ってきている。はっきりと“自分たち”はどうなのか、を見極める必要があるのだ。新聞やテレビで報道されるように、全体の“雰囲気”では正しく認識したことにならない。
 「虎穴」ほどリスクが高いものにチャレンジすることはないにしても、成果を得ようとしたら、ためらわずに飛び込まなくてはならない。動かなくては結果は得られないのである。「チャンスの到来をじっと待つ」というのは、これだけ環境の変化が激しい時代、通用しない。チャンスはあっという間にやってきて、あっという間に去っていく。

2.あの時、やっておけば・・・

 実際、「あの時、決断しておけば・・・」という事例は幾つもある。商品開発でライバルに先を越される、価格交渉でライバルに出し抜かれる、提案を躊躇して失注する、ということは日常起こっていることである。
 やらずに、言わずに後悔することは、一番してはいけないことと認識するべき。後悔するぐらいなら、実行してみて(やるべきことをやって、言うべきことをいって)からにする。
 知らない人が集うパーティなども、みんな知らない者同士なのだから、声をかけて話しをすべき。面倒だから、話しが盛り上がらないかもしれない、とためらうぐらいなら時間のムダなので、参加しないことである。世の中は狭い、意外とどこかで繋がっているかもしれないのに、もったいない話しである。

3.常に考える

 「考え込み過ぎて、動けない」という人もいる。しかし、それは、動くべきときに考え込むからいけないのであり、常に考えていれば、いざ、という時は、すでに決断できているものである。
 何をすべきか、何に取り組むべきか、何が不足しているのか、など常に思考していれば、答えが見えてくるようになる。また、相談すべき人が身近に現れた時にもすぐに相談できる。できれば、考えたことを紙に書いてまとめることがより整理できるのでお勧めである。何にも記録しないと、せっかく名案を思いついても、忘れてしまうこともある。人間は書くことで頭を整理することができる。思考もごちゃごちゃにならずにまとまってくる。
 必要なときに決断をして、取り組むことができれば十分である。そのために、常に考える習慣をつけ、タイミングを逃さない。今年は、これが重要になる。