1.決め付けてしまう
上司、部下の関係で難しいのは、上司が部下を「信用してあげる」ことである。どうしても「わかっているのだろうか」「何回言ってもわからないし」と思うことが多いのではないだろうか。「わかっているから大丈夫」「一度言えば理解してもらえる」と、部下を信用している上司は少ないように見える。これは、若手の部下、ベテランの部下、の区別はない。部下を信用できる上司は、若手であろうと信用するし、信用しない上司は、ベテランであろうと信用しない。これは、「あいつの価値観は間違っている」という“決め付け”の部分が大きく影響している。頑張っている、努力している、という部分をわかってあげられないのである。
何度もこのコラムで指摘しているが、進んで怠けたり、上司を困らせたりはしない(通常であれば)。結果として怠けているように見えたり、あえて問題を起こしているように見えるだけなのである。
2.萎縮させてしまう
それをそのまま指摘すれば、部下は萎縮する。萎縮するから本来の力を発揮できない。さらに失敗を重ねることになりかねない。部下を萎縮させることほど、チーム力を削ぐものはない。特に今は、ストレス社会。簡単に部下は萎縮する。消極的になるし、モチベーションも低下する。更にストレスにさらされ、最悪の場合、心の病にかかる可能性も出てくる。あとでパワハラと言われかねないのである。
言葉による指摘も行き過ぎると「暴力」になる。これは感じる側(部下)の問題なので、言っている側(上司)のモノサシでは計れない。上司がこれぐらいは指導のうち、と思っていても、部下からすれば人格を傷つけられたと感じているかもしれない。日々のコミュニケーションがボディーブローのように効いている場合、何気ない一言がとどめの一撃になってしまう。
3.良い所を見つけてあげよう
人間、悪いところばかりではない。いかに良い所をみつけてあげるか、そしてそこを伸ばしながら仕事をしてもらうか、である。欠点を指摘し続けても良いことはない。長所主義でないと人間は成長しないものである。また、少しぐらいの欠点があるから、人間臭さもあり、長所が人に自慢できるレベルになれば、その欠点も魅力のひとつになってくるのである。
仕事の内容はチェックの仕組みがあれば、ミスを防げる。ミスする部下を責めるより、ミスを見逃す仕組みやルールを改善すべきなのである。
部下にのびのび仕事をしてもらっているだろうか。部下の長所を生かしているか、再度チェックをしてもらいたい。