1. 女性の優秀さは変わらず
久しぶりに新入社員セミナーに参加した。講師兼コーディネーターだったのだが、ここ10年ぐらいの傾向は変わっていなかった。
まず、女性が積極的であること。議長などの役割を引き受ける時でも、自分の意見を発表するときでも、男性よりも女性の参加者の方が先に手を上げる。司会進行が格段にうまいというわけではないが、失敗をしても挑戦していく姿勢がすばらしい。
また、まとめ方や進め方もマニュアル通りではなく、応用を利かせながら、独自のものを見つけ出していくのも女性の方が柔軟であった。
男性の能力が低いというのではなく、「まじめ」ではあるが、なかなか自分の殻から出てこられず、能力が発揮できていないのである。
2. 評論家傾向
少し気になったのは、評論家的コメントを発したり、記したりする方が多かった点である。自分が主語になっていない感想を述べたり、自分が登場しない解決策ばかりだったりする。
ある意味、自分を客観的に観察できることはいいことだが、人から何かを教わったり、指導されたりする場合に、あまりに客観的すぎると「自分のことは棚にあげて」状態となる。「知っている」と「できる」の違いがわからないのである。「あの人は当たり前のことしか言わない」「あの人の話の内容は全て知っていることだった」では成長しない。
できることは「イメージできる」ことである。自分がそれを実行している姿を想像できなければいけない。曖昧になっているとイメージできないのである。揚げ足取りばかりいしていると、自分で「成長の壁」を作ってしまうことになる。自分はできている、が前提条件だからである。
3. 集団生活とマナー
集団生活になじめない参加者もいた。スピーディに動けなかったり、返事や挨拶の声が小さかったりというのは過去あったが、みんなで食事を取るときにペースを全然合わせらないというのである。全員が食べ終わらないと終了にならないので、みんなが食べるのが遅い人のことを待つことになる。最後の一人になってもちっともペースが上がらない。黙々と食べている。プレッシャーを感じていないのである。
また、扉を閉められない参加者も多かった。“自動ドア世代”である。勝手に扉が閉まるのが当たり前なのか、手動のドアを閉め忘れる。家庭ではどうなのだろうか。親が閉めてくれているのか。とにかく何度も注意される。
注意されるとできるのだが、見られていないと思うとすぐに手を抜く。3日間でも今後の成長は予測できるものである。