1. 何か違うという違和感
皆さんも飲食店や小売店に入ってサービスを受けている際に、「ん?何か違う?」という違和感を感じることがあると思う。これは、そこに出向いた際に期待しているものと違っていることのシグナルである。自分の期待が間違っていたのか(過大だったのか、過小だったのか、期待してはいけないものだったのか、など)、あるいはお店側が期待を裏切っているかのどちらかである。
しかし、こちらの(お客の)期待が間違っていたとしても、お客様に違和感を感じさせたら、お店側の負けである。
あちらこちらのCS(顧客満足)教育でリッツカールトンホテルやディズニーランドのサービスが事例として出されることがあるが、そこで学んだ人たちは、それが“サービス”のあるべき姿だと思う。どんな業界であろうと、お客様はそこをサービスのゴールラインとする。自分たちの現状に甘えてしまっていては、お客様は離れていってしまう。
2. めんどうくさいと思わせてしまう
しつこくクレームを繰り返すクレーマーの存在は、企業にとっては対処が難しい問題である。但し、問題点を指摘してくれるお客様であるという一面もある。クレームをファンにしていくことが重要とされ、それを生かしている企業が存在するのも事実である。
では、何故、クレームや要望を伝えることを「面倒」だと思わせてしまうのか。
ひとつには、「どうせ変わらないだろう」という思い。サービスの質は訓練により高まる。店員がアルバイトとはいえ、訓練している様子が見られないと、あきらめてしまう。あるいは、程度がかなり低く改善が期待できないという場合もある。でも、この層は割り切ってくれていれば、リピート客となる可能性はある。
もうひとつには、「もう来ないから」ということである。ようするに変わろうと、変わらなくても関係ない、というスタンスである。これが一番、企業にとっては怖い。
3. 本当の怖さを知る
これが「サイレントカスタマー」と呼ばれる“怖い層”である。理由がわからず、お客になってくれないように見えてしまう。だから、企業はリピート率にこだわる必要がある。自社のリピート率はどのくらいなのか。そしてそれは究極、何故100%にならないのか。リッツカールトンホテルやディズニーランドが注目されるのはそこである。ディズニーランドのリピート率は様々な統計データが出ているが、どれも90%台。リッツカールトンは50%前後。それぞれ業界における指数としては極めて高いものである。
CS(顧客満足)にどれだけ真剣に取り組むか。足元の顧客基盤が崩れないようにしたいものである。