【第36号】“朝活”シフトへの対応から見る

1.朝方へのシフト

 自分自身も朝方人間なので、違和感はないが、最近は朝の活用が注目されている。まずは、ビジネスマンのプライベートの面である。
 「異業種交流の時間に活用する」「読書会に活用する」「自分の仕事の整理に活用する」「読書の時間として活用する」など、主に自己啓発に朝の時間を活用するものである。
 もうひとつは健康面からの活用である。「ウォーキング・ジョギングをする」「体操をする」などへの取組みである。最後に、朝食の見直しである。身体のリズムを整えるためにも朝食を摂ることの重要性が再認識されている。特に子どもの健康に関して、集中力を高めるためにも重要であるといわれている。
 朝の通勤時間の活用や時間帯をずらして活用という点は、都心部と郡部では事情は違うが、朝の時間の活用という点ではいっしょである。

2.夜の常識を変える

 これは、これまで、異業種交流は夜やる、プライベートの活動は終業後に行う、といった常識を超えたものである。運動にしても、仕事を終えてから、が仕事を始める前に、へ変ったのである。
 こうしたこれまで「夜」にやる、という常識を超えた活動が個人の日常生活に表れ初めている。
 それとともに、企業の取組みも変ってきた。まずは、飲食店の朝食メニューの充実である。あるいは、開店時間の繰上げである。人の流れや生活スタイルが早朝にシフトしてきているので、それにあわせて時間をずらしてきている。
 また、都心のスポーツクラブでは、平日7時から営業しているところも多くなってきている。まさに、出勤前に一汗かいてから仕事するのである。

3.環境変化にどう合わせられるかが勝負

 景気の悪化を業績の悪化の理由にするのは簡単である。しかし、それは環境の変化に対応できていないことを告白しているようなものである。環境の変化に対応できているところは業績を伸ばしてきている。「デフレ経済で、市場価格が低迷して・・・」と言っても、それに打ち勝って“低価格路線”で成長しているユニクロ、ニトリ、マクドナルドなどの事例がある。
 「大手だから」ではない。大手でも逆に組織の対応スピードを失って苦戦しているところもある。
 スピード感がないと感じる企業がまだまだ多い。そういう指摘をしているこのコラムを読んでいる、この瞬間、携帯電話を手にして部下に「対応スピードの確認をするために」ダイヤルできる上司になっていますか。今、この瞬間にどう対応するか、それが流行を取り入れ、時代の変化に対応できる体質を生み出すのです。