【第10号】業績未達の常連組の共通項

1.目標が頭に入っていない

 業績が低迷している支店・営業所の営業マンや管理職の共通点は、数字への意識が低いことである。苦手意識も当然あるだろうが(理系出身で営業を担当している方はなかなかお目にかかれない)、それは言い訳に過ぎない。「今期の目標は?」「今の実績は?」「差額は?」と聞かれて即答できる人は達成状況の良い人である。
 目標が頭に入っていないようでは(資料を見たら答えられますのレベルではダメ)、当然、目標など達成できない。ゴールが把握できていないレースをしているようなもので、ペース配分も作戦も立たない。

2.薄れてしまった執着心

 もうひとつの問題は、景気低迷が長引くことで、「負け癖」がついてしまい、数値に対する“執着心”が薄れてしまっていることである。「今年もダメだ」「みんなできていないから仕方ない」「やっぱりだめだ」などあきらめの言葉が半年を過ぎたあたりから出てきてしまう。
 需要ゼロでない限り、物は売れているハズだし、シェア100%なんて会社もそうそうないはずである。であれば、やるべきことは幾つもあるはずである。「何とかしよう」「絶対に達成してやろう」という言葉を会議で本人たちから聞くことが減ってきてしまった。本社の会議で役員から叱責される中間管理職が言い訳のように発言することを除いては。

3.どうしたら達成感を得られるか

 確かに現場は疲れてきてしまっている。達成感が味わえず、徒労感だけが残るからである。ではなぜ達成感が味わえないのか。当然、目標が達成できていないせいもある。しかし、一番大きな原因は、やろうと決めたことをやり切れていないことにある。結果がだめでも、自分たちでできると思ってトライしたことをやり切っていれば、達成感はあるはずである。しかし、「どうせやっても・・・・・」と思いながら、実行するものだから、全て中途半端に終わってしまい、やり切れないままになってしまう。
 やってダメならやり方を変えればいいのである。やり切れていないから、効果があるかわからない実行策をだらだらと継続するハメになる。「ダメである」という結論さえ導き出せない。
 「決めたことは100%やり切る」ということが重要である。人に言われたから、みんながやっているから、という主体性のなさも困り者である。「意思」を込めて実行計画を作り、そしてそれを実現していく、この流れを確立することが目標達成の第一歩である。