【第343号】京都の旅

1.建造物の進化

 京都の街に久しぶりに行く機会があったので、少しまとめておきたい。まず、京都の街の景観である。京都駅について感じたのは、地方の駅には無い近未来的な雰囲気だ。デザインなど、かなりモダンである。また、旅行客が多いこともあり、通路などもゆったりとしている。旅行客とわかる人の9割がキャリーバックを持っている時代なので、当たり前になってきている部分ではあるが。それだけではなく、駅周辺に見られる中央資本の企業のビルの外装が違う。コーポレートカラーを使用していない。モノトーンに統一されている。これも特徴である。なかなかうまくいっていない都市も多い。文化財の多い街だけに、こういう所に配慮されているのは嬉しいことである。また、その文化財についても、しっかりとメンテナンスされていて、支援の厚さを感じる。

2.寛容さと個性

 今回、もうひとつ感じたのは、異文化を受け入れる部分の変化である。以前の京都は、「らしさ」にこだわっていた面が強かったように思うが、今回感じたのは、そこから更に進んで「受け入れること」の面が見られたこと。観光客に寛容になったのかもしれない。子供でもマナーが悪いと叱りつけていたお店の人の姿はもう見られない(暴れるとか、商品を壊すといったマナーでなく、順番を守らないなどのマナー)。お客としてのマナーが良くなったとは思えないのだが。接客の姿勢は、よりソフトになり、気兼ねなく質問したり、会話を楽しむことも増えた。いいバランスなのかもしれない。これは、街全体の取り組みの成果なのだろう。

3.観光立国

 とにかく中国からの旅行客と修学旅行生の多い街だ。インフォメーションの施設も充実している。日本人でもわかりにくいバスや地下鉄なのだから、必然的に充実するのだろう。ガイドブックを見て、調べるのも時間がかかるし、人が多いので、立ち止まる場所も少ない。ついつい、自分のそのインフォメーションを活用して、乗り換えや乗り継ぎの情報を仕入れていた。お土産店も面白い。流行っていたのは、レンタル着物ショップ。利用しているのは、外国からの観光客。顔立ちから、「日本人?」と思う瞬間もあったが、着物の柄が派手なのと、小物などを持っておらず、普段から着物を着ているようには見えない。観察してみていると、レンタルショップが多く存在していた。「和のテイスト」を売りにしているところは多いが、京都の取り組みはいろいろと参考になる。