【第339号】料理をする心

1.おもてなし

 筆者は、普段から料理を作るのが好きで台所に立つことが多い。楽しみのひとつは、お客様をお招きしてみんなで楽しく飲んで食べるおもてなしの面だ。どうしたら、美味しく食べてもらえるか、楽しんでもらえるか、を考える。BBQをやることもしかり、飲むお酒もある程度人数が集まるからできる「飲み比べ」をしてもらうこともそういった思いがある。複数回参加しているメンバーもいるので、リクエストがある「定番メニュー」は別にして、出来るだけ食べたことのないラインナップにする。これが、またワクワクする作業なのだ。やはり、美味しく食べている姿、笑顔、楽しそうな様子を見るのは、招いたものとして最高のお礼になる(我が家では、会費制にはしていないので)。

2.季節を感じる

 メニューを考えて、材料の買い物をすると、季節を感じることができる。特に産直野菜売場では、旬のものしかない。その中で、メニューを考える。今の時期だと、イクラの醤油漬けを作るので、イクラと鮭を使ったメニューにする、といった感じだ。ご飯なら「はらこ飯」があるし、パスタならイクラと鮭のクリームパスタといった具合だ。普段、気にしないと季節を感じられなくなる。野菜も魚も季節関係なく何でも食べられるからだ。でも、気にするようになると、旬を感じるようになる。「あ、もう牡蠣が出たんだ」とか、「そろそろ梅酒を作る時期か」「山菜の季節だなぁ」などを感じると、次にメニューが出て来るようになる。牡蠣なら、牡蠣フライや牡蠣のオイル漬け。山菜なら天ぷらなどである。

3.モノを大切にする気持ち

 最後は、モノを大切にするようになる。料理が好きなせいで、包丁もいろいろあるが、全て自分で研ぐようにしているし、フライパンなども、使い捨てにならないような、10年使えるものにしている。まな板も、プラスチックのものではなく、桐のまな板を使っている(これは自分専用だが)。鍋も、ご飯を炊く土鍋も別にあり、しっかり手入れをするようにしている。BBQなどに凝ると道具が増えるが、基本的に全部自分で洗って、油を塗りこむなど手を抜かない。使っていると不思議と「愛おしく」なるものである。愛着が湧くと言える。きれいに使う習慣ができると、キッチンも散らからなくなる。男性が料理すると散らかるという人もいるが、心がけ次第である。どうせ食べるのなら、楽しく食べたいし、一緒にいる人と美味しい思いを共有したい。仕事に取り組む姿勢と何ら変わらない。