【第331号】行動のスピード

1.行動のスピードは加速する

 どうしたらもっと行動力がアップするだろう、スピードがあがるだろう、と悩んでいる人は多い。自分自身のことだけでなく、社員ことで悩んでいる場合も多い。「やるべきことはわかっているのに」と思っているはずだ。でも、この「〜すべきこと」が厄介なのだ。「〜すべき」「〜して当たり前」と言われるものに対して、人はなかなか素直に実行できないのだ。「それは何故?」「どうして当たり前なの?」という部分で、納得していない場合が多いために、行動に移せない。頭でわかっていても、心がわかっていないと実行できない。理屈ではないのだ。コラムでも何度か指摘しているが、一番は、そういった『理屈』ではなく、『感情』なのである。そして、とにかくスタートを切ること。初めは乗り気がしなかったものも、やっているうちに習慣化してくるものは多い。

2.「やる気」が出ないは言い訳

 「今日はやる気がないから食事しない」「今日はやる気がないから好きなことはしない」「今日はやる気がないから寝ない」ということは聞いたことがない。ほとんどの人がやりたい、と思うことだからである。つまり、「やる気」というのは、「好きになれない」と言い換えることもできる。いやいややろうとするから、行動に移せない。行動に移せても、すぐにやらなくなってしまう。止める理由がある訳ではない。やらない理由を見つけてしまうのだ。基本的に「出来ない」のではない。「やらない」のだ。「私には出来ません」は理由にならない。正確に言えば「人に聞いたり、教わったりしてまでやろうとは思いません」ということになる。

3.小さな習慣から

 「習慣化しなさい」ということも、このコラムでは何度も取り上げている。やることが決まり事になれば、やらない理由など探さない。やらない理由を探しているのは、まだ“顕在意識”で行動しているから。“潜在意識”で行動するようになると、いつの間にか実行できるようになる。そのためには、3ヶ月間の継続が必要となる。だから、最初からハードルを上げる必要はない。普段運動していない人が、「毎日、ランニングをする」などのようにいきなり高い目標を掲げても、挫折することは目に見えている。「筋肉痛」だの「天気が悪い」などを理由にさぼり出し、やらなくなる。些細なことで構わない。きっかけとなるのは何なのか。ランニングは無理でも、近所のウォーキングなら可能かもしれない。一歩踏み出すことが重要である。