1.社員に夢を
どんな規模であろうと、どんな職種であろうと、経営者としての役割は変わらない。改めて整理したいと思う。経営者は、まず自身の夢を社員と共有することから始まる。「こんなことを実現していきたい」という夢に共感する社員を増やしていく。単に「こんな仕事をしたい」だけでは弱い。どんな世界を実現していきたいのかを共有することだ。そのイメージが一致していないと、社員は、経営者の言う事が理解できない。一致度が社員の会社への帰属意識と比例していく。経営者がしっかりとした「実現したい夢」を持っていないと、組織としての統一感が生まれない。組織が不活性化していく要因にもなる。その夢が経営理念や、事業理念となる。経営者はここからが役割のスタートなのである。
2.楽しく働ける環境を
社員が会社に来る事が苦痛にならないために、「楽しく働ける職場環境」を作っていくことが必要となる。「会社に行くといつも怒られる」「いじめられる」「文句を言われる」というイメージがあっては、仕事はつまらない。また上司や同僚からだけでなく、お客様からも評価されないと、働く意欲をなくしてしまう。人は、「失敗に対する恐れが強い。そのため、「失敗」に対する抵抗や、失敗を「告白する」ことへの抵抗をどれだけ無くすかが鍵なのである。常に失敗を責めている社長では、社員はのびのび仕事ができない。それだけではない。失敗を恐れて、何にもチャレンジしなくなる。新しいことにチャレンジしない会社のほとんどは、経営者が失敗を責める会社である。社員は、失敗したくてしているのではない。「どんどん失敗しろ」と言っている会社と「失敗は許さない」と言っている会社。結果的には、失敗の数は変わらないものである。
3.姿勢と態度
経営者の感情がぶれることの原因の大半は、「不安」からくる。業績への不安、資金繰りへの不安、指揮権への不安、自分の判断への不安など、多くの不安が原因となる。しかし、その不安の重圧に負けてはいけない。経営者も人間である。不安になることがいけないのではない。不安に負けて、感情の起伏が起こり、それが元で判断に迷いが生じたり、あるいは社員を振り回すことになることである。常に冷静に振る舞うことが必要となる(例え、冷静でいられなくとも)。ピンチはチャンスである。不安になるピンチには、必ずチャンスの側面がある。自分の気持ちをそこにフォーカスできるか。それができれば、感情は安定してくる。