1.油断大敵
記録的な大寒波の襲来で、普段雪が降らない地方にも雪が降った。そしてもちろん豪雪地帯である新潟にも大量の雪が降ったのだが、100年ぶりだとか、観測史上初の雪であれば、ニュースになるのもわかる。しかし、雪国であるこの新潟に雪が降っての大混乱が、全国ニュースになるのはびっくりである。それだけ、珍しい状況だったのだろう。雪による交通手段のマヒや混乱になれているはずでも、普段30分のところが4〜5時間ともなると、ちょっと違う。筆者も翌日の仕事のために、前日からしかも車でなく、新幹線で移動する状況になってしまった。車で移動していた人々は、思わぬ大渋滞にお手上げ状態だったらしい。約束に遅れるどころか、目的地に着けない方々が続出していたようだ。
2.リスクマネジメント
これらは、普段からリスクマネジメントをしっかりとしているかどうかにもよる。中小企業では、あまり自分たちの企業存続のリスクについて検討しているところは少ない。目の前の売上や利益に関心がいってしまい、もしものことについて考えている余裕がないのが正直なところであろう。しかし、5年前の東日本大震災の際の、様々な企業を襲った災害をみれば、リスクに備えることがいかに大切か、認識出来るのではないだろうか。自然災害に対するリスク、社員自身へのリスク、あるいは社員が起こす不祥事というリスク、経営者が経営をすることが困難になる(病気や生命の危機など)リスク。様々なリスクに備えるために、社内で検討し、対応策を明確にしておかなくてはならない。従業員の健康だけではなく、経営者の健康も重要なのである。
3.正常と異常
どういう状況が正常で、どういう状況が異常かは問題ではない。今年の冬は当初暖冬だということで、異常気象とされた。今度は、異常寒波と言われ、雪が降ってニュースになる。「異常気象だから、売上が少ない」「目標に届かないのは異常気象だから」なんて言っていても、もう異常な状況が常態化しつつあるのだから、何が「正常」なのかわからなくなってくる。異常であることに備えて、いつでも異常に対応できる状況でないと本来はおかしいのである。雪が少なかったら、温度が高かったら、雨量が多かったら、日照時間が少なかったら・・・言い出したら、キリがない。それらの多くは、起こることが予測されるのだ。予測されたにもかかわらず、対応していなかっただけなのだ。それらの言い訳に、「異常気象」という言葉が使われているだけなのである。